30代になった今でも、ふと中学時代の修学旅行を思い出すことがあります。
みなさんは、修学旅行の思い出ってありますか?楽しかったですか?
私はというと…正直、あまりいい思い出ではありません。笑
でも今回話したいのは、そこで思ったことについてです。

修学旅行で九州に行き、熊本城を訪れました。よくあるグループで見て回るスタイルです。お城の上まで登って、また降りてくるのですが、その途中にはたくさんの展示や解説があり、本来ならじっくり見て学ぶべきところ。でもグループのみんなはとにかく急いで降りようとしていて、あっという間に終わってしまいました。
「なんて勿体ないのだろう…」そう思いました。「もっとゆっくり見て回りたい」そう言いたかったけれど、数人対1人ではどうにもならず、結局みんなに合わせるしかなかった。特別歴史に詳しいわけではないし、徳川家康が何を成し遂げたかなんてほとんど覚えていない。でもそれでも、このお城でかつてどんな人がどんな思いで過ごしていたのか、そんなことに想いを馳せたかった。ただ「ああ、こんな時代があったんだ」と感じたかった。
私は一瞬一瞬の景色をじっくりと味わい、些細なことに気づいて楽しみたいタイプ。だけど、学生時代はそういう感覚を共有できる人が少なくて、ずっと周りとのズレを感じていました。学校という価値観の狭い世界の中で、それが居心地の悪さに繋がっていたのかもしれません。
でも結局私は、周りと違うまま大人になった。そして今では、そんな自分が好きだと思ってる。
季節だからこそ感じられる景色や空気感が好き。歴史にそこまで興味がなくても、訪れた場所の空気に触れてじっくりと歩きたい。夜景よりも星空を眺めたい。そんな私の感覚が、今の作品づくりに活かされている。だからこそあの頃、無理に周りに合わせて自分を変えなくてよかった。
「自分らしく生きる」って、こういうことなのかもしれない。